今回は細かい局地的な状況でなく
戦争全体についてみていきたいと思います
まず既に周知のことと思いますが 攻め込んだ
ロシア兵らに戦意があまりなかった点ですが
複数の証言があがってきています
捕虜となったロシア兵の証言
「我々は、国境を越えるための迎えを待っている。
連れて帰ってくれる、と3日間にわたって言われ
続けてきたのだが、誰も連れて帰ってくれない」
「将校たちも軍事訓練だと思っていた。
ロシア国民が蜂起してウラジーミル・
プーチン大統領を打倒しなければならない」
ウクライナ軍に捕まって捕虜になったロシア兵士
ドミトリー・コヴァレンスキー中尉がキーウの
外信記者会見でこのように主張した。
今まで彼らが今回の戦争に対して正しく
知ることができないまま参戦していた事実が
伝えられた。
この日の記者会見に出席した捕虜も同様だった。
コヴァレンスキー中尉は「部隊が移動する
前日夕方にウクライナ侵攻を知った。
兵長以下の兵士は国境を越える時でさえ
どこに向かっているのか分からなかった」と伝えた。
ある兵士は「行方不明者だと伝えられているが
それは嘘だ。若い徴集兵がここで死んでいっている。
プーチン大統領は何が起きているのか知らせたくなく
我々の死体を持っていこうとしない」と厳しい忠告を与えた。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)
デイリー・メールなど
こちらの動画でもバスで収容所に連行される捕虜たちが
手にパンなどを持っているのが写っていますが
腹を減らしているロシア兵に手渡された食料でしょう
また各地で損傷の少ない状態で鹵獲されている
ロシア軍車両も見受けられます
一方でウクライナ側には日々 支援物資が届けられています
ウクライナ国境付近の飛行場には米軍のC-17輸送機が
一日17便程度 着陸しており多数の軍事物資を
搬送しています
これまでに対戦車ミサイル1万7000基と、
地対空ミサイル「スティンガー」2000基を
ウクライナに輸送したとのことです
またポーランドはMig29戦闘機の給与策を計画したり
ルーマニアもEU-ウクライナ協議合意をいち早く
批准して 水や食料や燃料などを差し入れるなど
近隣諸国の支援も増加しています
両軍の損失を概算する
最後に非常に粗雑な推定なんですが開戦以来の
両軍の損失を概算してみたいと思います
まず下記の記事をみてください
バーンズ米中央情報局(CIA)長官はロシアの
ウクライナ侵攻をめぐり下院情報特別委員会で証言し、
ウクライナの強力な反撃により当初の侵攻計画が
進まないことに「プーチン露大統領は憤慨し、
いらだっている」と分析した。
国防情報局(DIA)のベリエ長官は2月24日の
侵攻以来の露軍の死者数は推定で2000人から
4000人との見方を示した。/サンケイより
ウクライナ側はすでに一万人以上のロシア兵が死亡と
発表していますが米発表とかなりな差があります
そこで ここではロシア軍戦死者をやや中間寄りの
5000人程度と仮定します
これは戦死者だけですので そこに負傷者が加わります
大抵の戦場では 負傷者は戦死者の数倍は出るものです
そこでロシア軍負傷者は3倍の15000人程度と見積もりました
更に冒頭の記事のように捕虜や戦線離脱者も加わります
すると死傷者と投降兵の合計で25000人ほどが戦力から
失われたと思われます
戦史でも戦意の低い部隊から大量の捕虜が出ることは
多々ありました
例えば フォークランド戦争時のハリエット山の戦闘では
英軍戦死者2名に対して アルゼンチン軍は戦死者10名
捕虜300名も出しています
ロシア軍は今回の侵攻用部隊として15万人を集め
現在 ほぼ全てを投入しており予備戦力はない模様です
すると150000-25000=125000
これは全戦力の17%を失っている計算になります
一方のウクライナ側は正規軍21万 国土防衛隊13万
併せて33万人の兵力です
ウクライナ側は投降兵は少ないでしょうが
ミサイル攻撃等の負傷者が多いと推定して
先ほどのロシア軍と同等の損失を対等に
さし引くと30万5000人となります
これは全戦力の7.6%を失った計算になります
しかし ウクライナ側にはジョージアなどからの
義勇軍2万が既に到着しているという話です
さらに欧米からも2万人ほどの義勇兵が駆けつけている
最中とのことですので これらの助っ人によって
開戦以来の人的な損失は補われるでしょう
また祖国の大事に戻る帰国組が6万人いるという
ことで 彼らが兵站輸送 施設保守や看護補助
などに就けば 全軍の負担は軽くなります
以上 乏しいデータから推定した雑な計算ですが
決してウクライナ軍の前途は暗くないという
結果になりました
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