心が乾いて 戦いに飽きたわけではありませんが
久しぶりに #JAXAの宇宙や航空の話題 です
6月13日は 2010年に地球帰還を果たし
壮烈な最後で見事に砕け散った初代
はやぶさを記念した はやぶさの日でした
その意思を受け継いだ #はやぶさ2 の持ち帰った
サンプルの分析が発表されています
#リュウグウ物質 に生命を構成するのに不可欠な、
水素が0.69~1.30wt%(主に含水鉱物相として存在)
、炭素が2.79~5.39wt%(そのうち有機物分は
1.77~4.00wt%)含まれていることが確認されました
またアミノ酸や含窒素複素環式化合物など
多くの有機物が検出されました。
隕石から検出されるアミノ酸の一種は、
リュウグウ試料からは検出されませんでした。
地球上でのアミノ酸の混染を考えなくてよいことから
検出された23種(異性体を含む)アミノ酸は
、地球以外の太陽系内に元々存在していたことになります。
我々はアミノ酸を含む有機物が氷天体で形成進化し、
これが地球環境にもたらされたことによって
生命が誕生したのではないかと考えています。
今後の研究によって生命の起源との関連がより
詳細に明らかとなるでしょう。
全16粒子に対して高精度の化学分析を行い、
粒子ごとに最大70元素の濃度を決定しました。
その結果、リュウグウの化学的特徴は
CIコンドライトのそれに類似することがわかりました。
また全粒子の詳細な岩石学的記載によると、
リュウグウ物質は微細な含水層状ケイ酸塩鉱物
(50vol%)と空隙(41vol%)を主とする細粒マトリクス
、および無機鉱物および有機物からなる粗粒相(9%)
からなり、密度は約1.52g/cm3です。
CIコンドライトに分類される隕石には、
太陽系円盤内で形成された高温形成物
(例えば融解を経験した)が普遍的に観察されます。
しかし、リュウグウ試料にはこれら高温形成物が
ほとんど含まれません。このことから、
リュウグウ物質は相対的に太陽系から遠方の
低温領域で集積し、現在に至るまでその
初生的な性質を保持しているのだと考えられます。
粒子に含まれる元素(H、Be、B、N、Ca、およびCr)
の濃度や同位体組成、そして特徴的な同位体組成
(H、C、およびN)を呈するミクロンサイズの有機物を
解析しました。
その結果、リュウグウ試料中に太陽系の元となった
星間物質や太陽系前駆物質など太陽系が形成される
以前の、起源の異なる有機および無機物が確認されました。
JAXAプレスリリースより抜粋
またイブナ隕石(1938年タンザニアのイブナに落下)の
成分との比較データも掲載されています
リュウグウとイヴナの質量分析(TG-MS)と組み合わせた熱重量分析。
C)リュウグウと(D)イヴナの導出された質量強度曲線
やはり水素等の検出は意義深いことでしょう
また これだけのミッションを完了した
はやぶさ2はカプセルを射出後に再び元気に
第二の任務である #拡張ミッション に向かいました
真ん中のあかつきの後方で光っているのがイカロス
6月6日の拡張ミッション運用状況報告
現在もはやぶさ2は順調に宇宙航行をしており、
探査機と太陽の距離は1au(地球と太陽の平均距離)です。
もう 太陽までの距離と同じところまで飛んで行っています
予想して投票したんですが見事に外しましたよw
※炭素質コンドライト(たんそしつコンドライト、
Carbonaceous Chondrite)、
コンドリュールを含む石質隕石のうち、いろいろな
化合物や有機物の形で炭素原子を含むものをいう
CIコンドライトの化学組成は水、炭素、イオウなどの
蒸発しやすい成分を隕石の中で最も多く含んでいる
(水:20%、炭素:3.5%、イオウ:6%)含まれている
続いてはJAXAで開発中の航空機 #高速ヘリコプター の話題です
この想像図ではダクテッドファンがついている
従来のヘリコプターはロータ面の傾きを変えて、
揚力と推力を同時に作って前進する、いわば立ち泳ぎの状態。
これに対し高速ヘリコプターは、クロールのように水平に
推力を作用させるので、飛び方そのものが大きく異なります。
従来のヘリコプターの最高速度は時速270km程度で、
高速ヘリコプターは約2倍の時速500km前後で飛べる性能を
目指しています。具体的な技術で言うと、主翼の位置と
形を変更しました。主翼の両端には電動プロペラを設置して、
揚力を持たせています。
これは、機体上部にある大きなメインローターが
回転することで発生するトルク(機体を回転させる力)を
打ち消すシステムで、飛行中の安定性が高まります。
また、このシステムにより10%程度の推進力も生み出す
ことができます/JAXA高速ヘリコプター開発部署より
高速ヘリコプターは米軍もかなり力を入れており
シコルスキーとベルなどに開発させています
回転翼というのは 常に片側には飛行速度が加わり
もう片側からは飛行速度が差し引かれます
具体的には ローターが時計回りの場合は左側半分
の揚力が上がり 右側半分の揚力が下がります
高速飛行になればなるほど この揚力の不均衡が
大きくなり ヘリはコントロール不能のロールに陥ります
更にローターの先端速度が音速に近くなると
衝撃波が発生して どんなに馬力などを上げても
それ以上は有効に推力を発生しない限界があります
レシプロ戦闘機では超音速に対応できずジェット機に
なった大きな原因のひとつです
開発されている高速ヘリはだいたいVTOL用の回転翼に
加えて推進用のプロペラを装備しています
このJAXAで開発しているモデルは更に小さな固定翼と
翼端にティルトロータも装備しています
このティルトロータは確度を変えて昇下降時は揚力に
水平飛行時には推力に寄与するわけです
VTOL機の今後
BELL XV-15とV-22など 製作管理者
ティルトロータやティルトウィングはボートXC-142
BELL X-22 BELL XV-15など数多くの試作機が
造られた後にようやくティルトロータ機のボーイング
V-22オスプレイが配備され目にすることが増えました
全てのヘリがティルトロータに置き換わるとは
思えませんが 速度性能やペイロードなどの観点からは
両者は今後 争って進化していくことになるでしょう
おまけ記事
ここに2枚の画像を挙げておきます
一つ目はこの画像
二つ目はこちらの画像です
一枚目のはリュウグウからのサンプルの拡大画像で
スケールの500μm/マイクロメートルは0.5ミリメートル
一方 二つ目の画像は利根川の航空写真で
目盛りは10km です
どちらも似ているように見えませんか?
これらは #自然界のフラクタル性 をよく示しているでしょう
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